交通事故で起こる末梢神経障害とは?
交通事故後に感じる「しびれ」や「痛み」は、筋肉や関節の問題だけでなく、神経がダメージを受けている可能性もあります。
特に手の痺れが続く場合は、「末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)」が疑われます。
末梢神経とは何か?
末梢神経とは、脳や脊髄(中枢神経)から枝分かれして、手足や内臓に信号を送る”神経のネットワーク”です。
動かす、感じる、反応する、という体の働きを支える重要な役割も持っています。
交通事故と末梢神経障害の関係
交通事故では、強い衝撃によって骨や筋肉だけでなく、神経も損傷することがあります。
特に、手や腕を強打した場合や、首に衝撃が加わった場合に、神経が圧迫されたり引き伸ばされたりして、障害が生じやすくなります。
どんな外傷で神経が傷つくのか?
- 骨折や脱臼による神経の圧迫
- 筋肉の腫れによる神経の圧迫
- むちうちによる頸椎のズレが神経を刺激
- 直接的な打撲や外傷
こんな症状は要注意!手のしびれ・痛みの具体例
事故後に以下のような症状が見られる場合は、末梢神経障害の可能性が高いです。
しびれのタイプ
- ビリビリと電気が走るような痛み
- ピリピリとした違和感
- 触っても感覚が鈍い
力が入りにくい・物を落としやすい
握力が低下し、コップやスマホなどをよく落とすようになった…という方は、運動神経の伝達に問題が起きているかもしれません。
事故直後には出ないケースもある
事故当日は痛みが無くても、数日~1週間後にしびれや違和感が出てくることもあります。
「時間が経ったから大丈夫」と思わず、症状が出た時点で医療機関を受診しましょう。
交通事故による末梢神経障害の主な原因
骨折や脱臼による神経圧迫
交通事故で骨が折れる・関節が外れると、近くにある神経が圧迫されてしびれや痛みを引き起こします。
むちうち・頸椎捻挫による影響
首に衝撃が加わると、頸椎がゆがみ、そこを通る神経が圧迫されます。これにより、肩や腕、手の末端にしびれが出ることがあります。
肩や腕への直接的な打撲
ハンドルに腕を強くぶつけたなどの衝撃も、神経にダメージを与えることがあります。
治療方法と回復までの流れ
整形外科と整骨院の役割
まずは整形外科での診断が重要です。レントゲンやMRIで骨や神経の状態を確認し、適切な治療方針を決定します。
その後、整骨院での施術により、神経の圧迫を取り除いたり、筋肉の緊張を和らげたりすることで、改善を図ります。
治療の重要性
末梢神経は回復に時間がかかることも多く、継続的な治療が必要不可欠です。早期に対応することで、後遺症を防ぐことができます。
早期の対処がカギ
「そのうちなおるだろう」と放置してしまうと、症状が慢性化し、回復までに長い時間がかかることも。違和感があるなら、すぐに相談を。
保険で治療費はカバーされるの?
自賠責保険と任意保険の使い方
交通事故によるけがは、自賠責保険または任意保険を使って、患者様の自己負担なしで治療が受けられます。
整骨院での治療は保険適用される?
はい、自賠責保険を利用すれば、整骨院での施術も「無料」で受けることが可能です。
※医師の診断や整形外科との連携が重要です。
保険会社とのやり取りでお困りの方へ
「整骨院には通えないと言われた」「治療を打ち切られた」など、保険会社とのやり取りでお困りの方は、交通事故専門の弁護士と連携することで解決するケースも多くあります。
まとめ|しびれや痛みは我慢せず、すぐに専門家へ相談を
交通事故による手のしびれや痛みは、単なる筋肉痛ではなく、神経の障害が原因である場合があります。
放っておくと回復が遅れるばかりか、後遺症として残るリスクもあります。早期の診断と適切な治療が回復のカギです。